横浜からたった10分!鶴見線でお手軽秘境駅巡り
皆さん、鶴見線ってご存知ですか?
鶴見線は横浜と川崎の工場地帯を走る、短い路線です。知名度はあまり高くないかもしれませんね。
実はこの路線は政令指定都市である横浜市と川崎市を走っているのにも関わらず、
- 3両編成
- 単線区間あり
- 本数が少ない(場合によっては一日に3本しか走っていない区間も)
- 鶴見駅以外全て無人駅
という、まるで田舎の路線的な性質を持っています。
更に鶴見線には個性的な駅が数多く存在します。昭和の雰囲気を色濃く残す国道駅や、日本一海に近い駅とも言われる海芝浦駅などがあります。
という事でGWだし何処かに行きたい、でもあまりお金が無い…という状態だった自分は、鶴見線に乗ってくることにしました。
なんせ鶴見線は横浜からなら10分、東京からでも30分くらいで着く所なので、気軽に行くことが出来たのです。
2時間程の旅でしたが、満足度の高いものになりました。
なおこの記事で書いている電車の発車時刻は休日ダイヤなので注意してください。
鶴見駅
改札の中に改札…?
今回の鶴見線の旅のスタート地点は鶴見駅です。
大抵の人は鶴見駅までは京浜東北線で来ることになると思うのですが、京浜東北線のホームを上がるとこんな光景が広がっています。
鶴見線のホームの前に改札が並んでいます。
実は鶴見線は京浜東北線と同じJRの路線なのに、乗り換え時に必ずこの改札を通らなければなりません。
JRの公式ページに乗っている構内図を見てみると…
引用元: JR東日本:駅構内図(鶴見駅)
この構内図をよく見ると分かると思うのですが、改札内のエリアに更に改札があります。
何故このような構造になったのか色々言われているのですが、鶴見線の他の駅が全て無人駅であり、それによる不正乗車を防ぐ為なのではないかと言われているようです。
鉄骨のアーチが美しいホーム
鶴見線のホームはこんな感じです。
鉄骨のアーチに支えられた屋根が、ホーム全体を覆っています。
ホームには木製のベンチがあったりと、昭和の雰囲気が漂っています。
屋根から差す黄色の光が幻想的。
そして鉄骨の柱がカッコイイ。
鶴見線の鶴見駅は建築物としての魅力も十分持っていますよ。
案内表示など
改札にある鶴見線の路線図。
鶴見線は3系統の列車が走っています。
多くは赤色の浜川崎、扇町方面の列車ですが。
ちょっと見づらいですが、時刻表です。
一時間あたりの本数が明らかに少ないのがわかると思います。
朝と夕方は結構なペースで走っていますが、休日の昼間は一時間に2本しか走っていません。
まずは鶴見発13:00の浜川崎駅行き電車で国道駅に向かいます。
国道駅
鶴見のお隣の駅
国道駅は、鶴見駅からたった一駅ですが、是非降りたい駅のひとつです。
ホームはそこまで特異な感じは無いのですが、この駅は改札付近が個性的な駅なのです。
暗いガード下の改札口
これ、改札の目の前から撮った写真です。
国道駅の特徴は、改札が線路のガード下にあることです。
しかしこのガード下の雰囲気はかなり独特です。昼間に来たのにかなり暗くて不気味…
壁や床もボロボロだったり、ベニヤ板が打ち付けてあったりと、ここ本当に横浜だっけ?という気分になります。開業当初は多くのテナントが入っていたようですが、今営業しているのは「国道下」という焼き鳥屋くらいです。
でもここでもアーチ状梁がいい味だしてます。鶴見線、アーチ大好き説。
改札口の様子はこんな感じです。
券売機の隣にトイレの案内がありますが、トイレはかなり汚かったです…しかも男女共用という…
高架下もなかなか凄い雰囲気ですが、外に出ると今度は、米軍の機銃掃射跡を見ることが出来ます。
囲った部分のコンクリート部分がえぐれてる部分がそうです。
他にも数か所機銃掃射跡を見ることが出来ます。
国道駅を堪能したところで、13:32発の海芝浦駅に乗車し、終点まで向かいます。
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海芝浦駅
日本一海に近い駅
海芝浦駅は、鶴見線に訪れたら絶対に訪れるべき駅です。関東の駅100選にも認定されています。
この駅は東芝の工場の敷地の中にあるのですが、本当に海のとなりにホームが設置されています。
ドアが開いた瞬間に、潮の香りが一気に入ってくる感覚は是非味わってほしいです。
ホームからは、扇島の工場群と鶴見つばさ橋を望むことが出来ます。
遠くを望むと横浜ベイブリッジも見えますよ。
海風を感じながら見る景色は最高です。電車のホームの上とは思えないです。
こんな感じで、本当に海のすぐ隣にホームがあるんです。
改札の外に出られない駅
さて、先程ちらっと書きましたが、この駅は東芝の工場の敷地の中にあります。
つまり、駅の敷地を出るとそこは私有地です。
そして私有地に勝手に入ることは許されないという事で、この海芝浦駅、一般客は駅の外に出ることが出来ないのです。この点でも珍しい駅なんですね。
とはいえ、簡易改札機は存在します。
不正乗車にならないよう、ちゃんとICカードをタッチしておきましょう。
出場した後に入場するのを忘れずに!
改札に出られない代わりに、ちょっとした公園が用意されています。
入り口の隣に自動販売機もあるので、ちょっと休憩するのにはいいです。
公園内にはこんな特等席も。
ゆったり座って景色を楽しめます。
…とはいえ、海芝浦駅に来る電車の本数は非常に少ないので、基本的に乗ってきた電車の折り返しに乗る必要があります。そのため日中だと、滞在できる時間は長くても20分くらいです。乗り遅れには注意しましょう。
海が広がる景色を車内から眺めるのもいい感じです。
海芝浦駅を満喫したところで、14:00発の折り返しの鶴見行きの列車に乗車。
武蔵白石駅を目指します。
浅野駅で乗り換え
武蔵白石駅に行くために、浅野駅で乗り換えます。
最初の方に貼った写真を見れば分かると思うのですが、鶴見線は浅野駅で海芝浦方面と扇町方面に分岐しているのです。
ここでは海芝浦からの鶴見行きから、武蔵白石の方に行く扇町行きに乗り換えます。
浅野駅に限らず、鶴見線は駅の中に踏切がある所が多いです。
今回の浅野駅の乗り換えでは、踏切を二回渡ります。
こういう所でまたローカル線の雰囲気を感じる訳です。
やたらとだだっ広いホームが個人的に好きです。
扇町方面が直線なのに対し、海芝浦方面が大きくカーブしているのでこんな構造になっています。
線路に草が生い茂っている感じが田舎感を増しています。
14:07分発の扇町行きに乗車。乗り換え時間が3分しか無い上、踏切があるので結構忙しかったです。
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武蔵白石駅
大川方面に歩いてみる
武蔵白石駅ですが、別になにか大きな見どころがある訳ではありません(笑)
ただ、せっかく鶴見線エリアに来たなら、工場群の中を歩くのも面白いかもということで降りてみました。
また、鶴見線には大川という駅があるのですが、なんと休日には一日3本しか電車が走っていません。
そのため大川駅に行くのはかなり難易度が高いのですが、武蔵白石駅からなら徒歩15分程でたどり着ける距離で、かつ武蔵白石駅は休日でも一時間に2本走っているため、大川駅に行くなら武蔵白石駅から歩いちゃうのが一番ラクだったりします。
自分は大川駅までは行ってないのですが、線路沿いに大川駅と武蔵白石の中間地点付近まで歩いてきました。
人が…いない…
武蔵白石駅の駅舎前ですが、全然人がいないです。
まあ周りに工場しかない上、GW中で工場が稼働していないからなんですけどね。
実は国道駅と海芝浦駅はそれなりに鶴見線の名物スポットなので、それなりに人がいたんですよね。カメラ構えて色々撮っている人も沢山でした。
ただついにこの駅では、360度見回しても誰もいないという状況です。
機銃掃射跡が残る橋
大川駅方面に線路沿いを歩き、大川橋という橋にたどり着きました。
運河に架かるちょこんとした橋ってことで、こういう橋いいなあと一人心の中でテンション上がってました。
当然周りにあるのは工場くらいです。
たまーにトラックとかバスが通り過ぎます。
ちなみにこの橋も機銃掃射の跡が当時のまま残っています。
いつかこの跡が修理される日は来るのでしょうか…
こんな感じで橋を眺めてぼーっとしてたら時間が経ってたので、大川駅の駅舎に行くのはやめて引き返すことにしました。30分に1本の電車を逃すのは辛いので…
改めてホームを見てみると、やはり凄いローカル線感。
そして14:40分発の浜川崎行きに乗りました。
浜川崎駅
南武支線との乗り換え駅
浜川崎駅は南武線の支線に乗り換えられる駅です。
ここで鶴見線とはお別れです。本当はもう少し乗っていない区間があるのですが、本数が少ない上に、折り返しまでの時間が短すぎるので今回はパスしました。
またこの駅の特徴として、鶴見線と南武線のホームが別々の場所にあります。
そのため乗り換えの時は、一度駅舎を出て一般道路を歩いて乗り換える必要があります。これまた珍しい駅です。
鶴見線のホーム
鶴見線のホームは狭くてこじんまりとしています。
やたらと「はまかわさき」という駅名標が連なっているのが気になる所…
改札は跨線橋の上にあります。
隣にある工場への専用出口があるのが鶴見線らしいですね。
ここで注意なのですが、鶴見線と南武線を乗り換える時は、この改札にICカードをタッチせずに乗り換えます。ここでタッチすると余計な運賃を取られてしまうので注意しましょう。
乗り換え案内の看板が凄いレトロ。書体マニアが喜びそうです。
外から鶴見線のホームを眺めるとこんな感じです。
駅の入口も寂れた感じです。屋根もだいぶ傷んでます。
南武線のホーム
こちらが南武線の駅舎。ん…?この看板…
この立体感、綺麗さ、なんか右のお洒落なイラスト…
これは明らかに最近作られた看板です。
実は南武線の支線は、最近小田栄駅という新しい駅が誕生しています。(北海道新幹線開通と同時に開業してるんですよ)
小田栄駅は地元の人たちがお願いした駅ではなく、JRが自治体と連携し、まちづくりの戦略として作った駅なのが面白い所です。
そして小田栄駅を作る際に、南武支線のイメージ向上の為に色々リニューアルしたみたいです。
ちなみに右のイラストは「音楽のまち・かわさき」をテーマにしたものだそうです。
駅名標がある所には花壇があって、ちょうど綺麗に花が咲いていました。
でも花が邪魔で次の駅が見えないですね(笑)
南武線ホームもやたらと多い「はまかわさき」。
ホームには地元の子供たちが描いたと思われる絵が飾ってありました。かわいい。
車両が「音楽のまち・かわさき」仕様
南武支線の車両は鶴見線の色違いみたいなものですが、帯に五線譜と音符が描かれていて、結構イメージアップへの気合を感じます。
シートまで音符が描かれています。
これもうちょっと話題になってもいいのではと思うのですが、やっぱり南武支線の知名度が低すぎますよね…
鶴見線はまだ観光地化しているのですが、南武支線を知っているのは鉄道オタクと沿線に住んでいる人くらいでしょう。
そして南武支線ってなんと2両編成です。
この記事で散々田舎田舎と書いた鶴見線ですら3両編成であることを考えると、かなり短いです…
真のローカル線は南武支線なのかもしれません。
そして14:57発の南武支線で尻手駅まで乗車し、その後本線で武蔵小杉まで抜けたのでした。
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最後に
鶴見線の旅はとてもオススメです。
こんなに都心から近いローカル線はなかなか無いですし、個性を持った駅が溢れています。
特に海芝浦駅は絶対に一度は行くべきです。東芝の工場の中にある駅なので、東芝が破産したら無くなるかもしれませんよ…って流石に言い過ぎですかね(笑)
ただし少し注意点があります。鶴見線の本数は結構少ないので、きちんと時刻表を見て計画を立ててから行きましょう。
また、鶴見線も平日の朝と夕方は普通に混みます。のんびり巡るなら日中がオススメです。ただし海芝浦駅で夜景を見るのは凄くオススメだと聞きますが。
たまには鶴見線でこんな車窓を眺めるのも悪くないですよ。
ついでに南武支線にも乗ってあげてください。
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